龍明塾コラム

ここはあくまでもコラムです。高い理想を自由に言いたい放題で、実際の指導とは異なることもあるかもしれません。しかし、このコラムの中に龍明塾が始まったきっかけや、進んでいる方向を知れると思います。まだ見ぬ現実をおもいっきり語ります。

韓国の武道・格闘技オリンピックへ


2019年の夏休みの最後の週に韓国の忠州武芸マスターシップにある競技の日本代表コーチとして参加してきました。武芸マスターシップとは武道・格闘技のオリンピックで、複数の種目を同時に開催する武道の祭典です。忠州市が主催し、韓国政府やオリンピック委員会が協賛し、開会式には韓国首相や潘基文氏(元国連事務総長)も参列していました。参加している団体は、テコンドー、柔道などメジャー団体はもちろん、日本ではあまり聞かないウズベキスタンのCrush、フランスのサバットなど20種目の団体が参加しました。 因みに我々の競技は道着を着たMMA(総合格闘技)で、参加国は22か国。日本代表の1人は実は長女でした。パンチで押しながらも慣れない投げ技、寝技に一本負けをしました。

日韓関係最悪の状況の中で

試合はさておき、今2019年8月時点でのこのご時世、日韓関係は過去最悪で日本製品不買運動や航空会社の東京ソウル便が本数が減らされるなど、日本代表のジャージを着ていたらもしかしたら危ない目に会うのではないかと不安に思っていました。同じ競技の韓国の選手団の人たちとは言葉は片言でしか通じないにもかかわらず、終始意気投合した関係でした。また、1万人以上集まった開会式では日本選手団の関係者がスタッフから危険な状況を鑑みて特別待遇を受けるなど冷たく扱われることは私の周りでは一切ありませんでした。政治は対立し合っていても同じ心と心が通じ合う人の子同士だと思いました。さらに韓国選手団とは同じ志を目指す者同士、さらに深い絆を感じました。

選手村で

選手村といってもただのホテルでした。日本でも同じですが、ヨーロッパでもアジアでもMMA、キックボクシングの選手は柄が悪く、髪型が派手、入れ墨を入れてストリートファッション。武道は技術面だけでなく、精神面や社会性を磨くところ。私の道場の生徒には今の稽古の延長がこの人たちとは思われたくないです。
日本選手5名を指導しながら、他の国の選手も我々と合流してきましたし、私自身もタイの選手の練習にも加わりました。スパーリングも5人の現役選手としました。自画自賛ではないですが、改めて龍明塾の技術の高さを感じました。
食事はホテルバイキング。計量を控えている選手にとって酷なものです。私もそれを忘れてつい美味しそうなもの皿にとって来たら、目の前に2人の選手に何も食べずにじっと私の皿を見つめられました。私も控えるしかありませんでした。